サウジアラビアのリヤードで、来月の12月15日に、シリア反体制派の「穏健派」を招集するという案が浮上している。サウジ資本のアラビア語衛星放送アル・アラビーヤが報じたことにより、注目されている。

"Meeting scheduled to unite Syria opposition in Saudi," al-Arabiya, 19 November, 2015.

11月14日にウィーンで開かれた米露を中心としたシリア問題に関する国際会議で、ロシアは半年以内の統一政権の設立、18ヶ月以内の選挙実施による新体制移行案を提示した。

この案では、アサド大統領の地位をどうするかという問題と共に、反体制派の中から統一政権・移行期プロセスに加わることのできる「穏健派」をどう定義し選定するかという問題が難題となる。

アサド政権とその背後にいるロシアは多くの反体制派を「テロリスト」とみなして埒外にしているため、この案の実現には困難が伴う。しかし米国もケリー国務長官はロシア案に乗る姿勢も見せており、サウジアラビアが米国に追随してロシア案に乗るのであれば、支援してきた反体制派の中から「穏健派」勢力を選定して提示しなければならない。来月に実際にリヤードで会合が開かれれば、そこに招かれた、あるいは集まった勢力が、ロシア提案で移行期プロセスに加わる「穏健派」の認定を受ける可能性が高まる。それまでにヨルダンで「穏健派」の認定を行う会合が開かれるとの観測についても、この記事では触れている。

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