「ワリード・ジュンブラート」と聞いて「ああ、レバノンの面白い人ね」と分かる人は中東に明るい人。

"Politics and lolcats: Lebanon"s 'Stand-up' former warlord rulez Twitter," Al-Araby al-Jadeed, 27 November 2015.

その彼が個人のツイッター・アカウントで珍妙なツイートをするようになって、ますます注目されています、という話。フォロワーが15万人を超えており、明らかに支持者以外も面白がって読んでいる。

ワリード・ジュンブラートはレバノンのドゥルーズ派の名望家ジュンブラート家の跡取りで、親父さんのカマール・ジュンブラートが設立したドゥルーズ派の政党PSP(急進社会主義者党)と、付属する民兵集団を従えている。70年代−80年代のレバノン内戦時には、他の勢力と同様に配下の集団が犯した残忍な行為に責任を負う立場だ。しかしそれらの追及を曖昧にして内戦が終結し、折しも1990年代の衛星放送の普及の過程で、ワリードはメディアの寵児となった。ワリードは詩人気質で、独特のメランコリーと皮肉と厭世観を漂わせたコメントを残す。すらっと難解なアラブ詩を暗誦したりして記者を煙に巻く。アラブ文学研究者はワリード語録でも収集して欲しいものだ。

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