土地収用法改正案などと並んでインド・モディ政権の経済改革「モディノミクス」の柱となる、「モノとサービスの統合税(GST)」導入のための憲法改正案(GST法案)が、11月26日に開会した冬季国会(ウインター・セッション)での成立に一歩近づいた。モディ首相は同月27日、ニューデリーの首相公邸に最大野党・国民会議派のソニア・ガンディー総裁とマンモハン・シン前首相を招き、国会におけるGST法案審議への協力を呼びかけ、ひとまず手応えを得た。

 

上下両院の「ねじれ」打開へ

 2014年総選挙で圧勝し、下院では安定多数を獲得している与党インド人民党(BJP)とその友党だが、上院ではいまだに少数派。この上下両院の「ねじれ」に加え、議事妨害に近い野党の反対によって、今夏以降多くの重要法案審議が停滞していた。

 GSTによって、国税と州税の2本立てとなっている売上税などの間接税が国税に一本化される。これにより、州境を越えて物品を輸送する際に必要な納税手続きが省略され、徴税や物流の合理化につながると期待されている。だが、州政府にしてみれば本来入ってくるべき税収が減少するのではないかとの疑心暗鬼が絶えず、反対の姿勢を見せてきた。中央では野党となっている党が政権を担う州ではなおさらだ。

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