シリア内戦をめぐっては、米・露が11月14日のウィーンでの関係国会議で接近を図っている一方で、トルコがロシアと爆撃機撃墜をめぐって表面上は激しく角突き合わせる。サウジが反政府派の一致を図る会合をリヤードで開いたり、米国に接近するシリアのクルド勢力が、現地の少数派やアラブ系住民を糾合する動きも進む。

そんな中で、イランはシリアに送り込んでいる精鋭部隊を戦線から離脱させているという報道がある。それはロシア主導のシリア軍事介入から、イランが距離を置き始めているのだろうか。

"Western Officials: Iran Retreating From Syria Fight," Bloomberg, December 10, 2015.

トルコのイラク北部クルド勢力への支援をイラク中央政府が殊更に問題視するという形で、イラク中央政府は反トルコ(親ロシア・親イランと受け止められる)の姿勢を強めているが、イランは逆に、犠牲に耐えかねる国民の反発も受け、米・トルコ側に一定の歩み寄りの姿勢を示しつつあるのだろうか。

情勢も情報もかなり錯綜しているため、一つ一つの情報を見極めていく必要があるが、気になる動きである。

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