借金で首が回らない家庭で、収入が増えたとしたら、それを何に使うだろうか。みすぼらしくなった塀を直すか。親戚に贈答品を配るか。あるいは、大々的にすき焼きパーティーをするか。それとも、お父さんの小遣いを増やすか――。

 そんな事はしないだろう。まずは借金を返そうと考えるのが真っ当な人の考え方というものだ。

 ところが、収入が増えたからといって、さっそく浪費バラマキに走っている人たちがいる。

 日本国の政治家と官僚だ。国債発行残高など「国の借金」が1000兆円を超えたと大騒ぎし、消費税率を引き上げなければこの国は破綻すると言いながら、税収が増えたとたん、気前よく予算を大盤振る舞いすることしか考えない。いったいこの国の政治家や財務官僚は何を考えているのだろう。

 

バブル期のピーク時並み

 2015年度の一般会計税収は56兆円台と、当初見込んでいた54兆5250億円から2兆円近く増える見通し。1991年度の59兆8000億円以来24年ぶりの高水準だという。

 ちなみに過去最高は1990年度の60兆1000億円。前後の1989年度と1992年度はいずれも54兆円台だから、今年はまさにバブル期のピークに肩を並べる税収になっているのだ。

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