12月25日、ロシアの空爆により、ダマスカスの東の郊外、東グータ地区で、反体制派の有力指導者ザハラーン・アッルーシュらが死亡した。2015年の最後の3ヶ月に進んだ、ロシアの軍事介入強化によるアサド政権の反転攻勢を象徴する出来事だ。

Air strike kills top Syrian rebel leader on edge of Damascus, Reuters, December 25, 2015.

アッルーシュが率いる「イスラーム軍(Jaysh al-Islam)」は、「イスラーム国」や、アル=カーイダ系のヌスラ戦線の攻勢に対抗して勢力範囲を維持し、アサド政権と戦うシリア反体制勢力の中で最も有力な勢力の一つである。アサド政権への土着の反政府勢力の拠点である、大都市周辺の囲む取り残された「郊外」の不満に根ざした実態のある組織と言える。2013年11月結成の「イスラーム戦線」など、非「イスラーム国」かつ非アル=カーイダ系のイスラーム系武装勢力の数々の連合の試みの中心にいた

「イスラーム軍」は後継指導者の指名を発表している。なお、アサド政権はロシア軍ではなく政府軍による攻撃を主張している

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