トルコは17日のアンカラの軍兵員輸送車を標的にした自動車爆弾テロへの、シリアのクルド人武装組織YPGによる関与を断定した。18日にダウトール首相は、YPGが トルコの反政府武装組織PKKと直接共謀して自爆攻撃を行ったと発表し、エルドアン大統領も同様の主張を行った

トルコは報復を誓っているが、そのためにシリア北部のクルド人勢力に対してより直接的な軍事行動に出るのかどうかが注目される。

もしトルコの直接軍事介入が起これば、それに対してロシアがどう反応するか、ロシアとトルコの衝突があればトルコが属すNATOはどう対処するかが問題となる。また、YPGを現地同盟勢力して支援する米国と、トルコとの関係がどうなるかが、気になる。

米国は現在のところ、YPGがアンカラのテロに関わったとするトルコの見解を否定も肯定もしていない。

トルコ南東部ではトルコ軍・警察とPKKの間で局地的に激しい戦闘が続き、連日のように死者が報道されている。これがより広範囲に広がるとともに、現在はごく限定的なテロや襲撃にとどまっているアンカラやイスタンブルなど大都市圏で、より頻繁にテロや軍事作戦が行われるようになると、トルコの安定は失われる。トルコの不安定化は、シリアやイラクとは比較にならないほどのインパクトを中東国際政治に持つ。

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