もはや勢いを止めることはできない――。米大統領選の共和党候補者選びで快進撃を続ける不動産王ドナルド・トランプ。天王山とされた3月1日のスーパー・チューズデーでは、11州で行われた予備選・党員集会のうち7州を制覇した。3月8日現在、候補選びを終えた19州のうち12州をトランプが制した。

 次のヤマ場である3月15日のミニ・スーパー・チューズデーでトランプがフロリダ州とオハイオ州を制すれば、他候補は「万事休す」という見方がもっぱらだ。フロリダ州はマルコ・ルビオ、オハイオ州はジョン・ケーシック、それぞれトランプを追う候補の地元である。

 共和党大統領候補を射止める可能性だけではない。「トランプ大統領」の是非まで公然と議論されるようになった。スーパー・チューズデー直後の3月3日付『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』読者投書欄トップには、トランプ大統領誕生の可能性を見くびるなという声が掲載されている。トランプは共和党自体と距離を置いているから、本選で民主党支持者からも票を奪いかねないという市民の警告だ。【Donald Trump and Hillary Clinton, After Super Tuesday, NYT, Mar. 2

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