「出版社幹部」と2足の草鞋履く「駐日仏大使」夫人
2016年3月18日
ティエリー・ダナ駐日フランス大使の妻フロランス・ゴドフェルノさんは、フランスと日本を頻繁に行き来しながら、パリの出版社の仕事と大使夫人の役割を両立させている。ただでさえ多忙な出版社勤務。どうやってこなしているのか、インタビューに応じてくれた。
夫人はパリの出版社「アルバン・ミシェル」社に勤務して24年。コミュニケーション・メディア部門の責任者として10人の部下を率いる。ダナ大使と事実婚関係にあり、パートナーとなって14年になる。
――これまでご主人と離れて暮らしたことはあるのですか。
夫人 パートナーとなって夫はずっと本省(フランス外務省)勤務で、出張はよくありましたが、20日以上離れて暮らしたことはありません。夫が駐日大使に任命された時(2014年6月)、仕事を辞めるか、続けるか2つの選択肢がありました。私は長年働いてきた出版社に愛着があり、また高校に通う16歳の息子もいます。そこで仕事を続けながらフランスと日本を行き来しようと思いました。しかし問題は出版社でした。
――どういうことですか。
夫人 強く難色を示したのです。家族経営の出版社で、社長は77歳。私が「日本に行っている間はテレワーク(IT技術を活用した場所や時間にとらわれない働き方)でやりたい」と話しても、最初はまったく聞く耳を持ちませんでした。ただ若い副社長がものの分かった人で「試してみよう」と言ってくれました。私も「テレワークを試して、もしうまくいかなかったら辞めます」と伝えました。
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