案の定、東芝の再建が迷走している。3月に医療機器と白物家電の子会社を売却したのに続き、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)の事業価値について、2016年3月期に約2600億円の減損処理をすると4月26日に発表。リストラが着々と進んでいるように見えるが、現実は「手当たり次第に売れるものを処分し、不可避のことに対処しているに過ぎない」(大手証券アナリスト)。今後の収益を支えると同社が位置付ける半導体、原発、社会インフラの3事業は、グループ従業員約20万人を抱える巨大企業の安定収益を支えるにはお寒い限り。業績のV字回復どころか、「東芝の地獄はこれから」(同)との見方がもっぱらだ。

 

報道どころではない厳しさ

「原発事業、3000億円損失計上~リストラ一巡 東芝再出発」(4月23日付日本経済新聞朝刊)

 昨今の東芝の経営状況を巡る報道では、この手の“生ぬるい”記事が少なくない。大企業が巨額損失を計上後、大がかりなリストラを実施して業績を立て直すというステレオタイプの経営再建論が相も変わらず罷り通っているからだ。

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