北朝鮮との国境、中国遼寧省丹東(タントン)市にある北朝鮮レストラン(C)EPA=時事

 

“平壌娘”のおもてなしを売りにした北朝鮮流の外貨稼ぎスポット「北朝鮮レストラン」が今、正念場を迎えている。その数が最も多い中国では、反腐敗闘争の余波を受けて利用客が激減していたところに、核実験・ミサイル発射に伴う国際社会の制裁が直撃。北京中心部にあった店舗の4分の1が営業をやめ、5月23日にはまたもや従業員女性の集団脱出が発覚した。岐路に立つ“美女頼みのお手軽ビジネス”。一方で、生き残りを模索する動きもある。北京のある北朝鮮レストランの現状に迫った。

 

好奇心を巧みに利用

 北京の繁華街、三里屯の複合ビル5階にあった北朝鮮レストラン「Z」(仮称)。3月31日、得意客への通知もないまま店を閉じた。

 Zの開業は2012年4月。中国の投資会社と、北朝鮮の高級宿泊施設「平壌高麗ホテル」の共同経営だった。中国側が支配人を出して店を管理し、高麗ホテルが従業員の北朝鮮女性とコックを派遣していた。メニューには平壌キムチや平壌冷麺、犬肉、北朝鮮産「大同江ビール」など、北朝鮮レストランの定番料理が並ぶ。筆者は2013年4月以後、ここを定点観測してきた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。