6月12日の米国フロリダ州オーランドで起きた、ゲイのナイトクラブPulseで49名を殺害し犯人も死亡した事件に対して、翌日のオバマ大統領の二つの会見での言葉の用い方から、事件の性質をどう認識しているか、この問題の政治的な波及を最小限にするためのどのようなメッセージ発出を試みているかが、透けて見える。

オバマの二つの会見は、ホワイトハウスのホームページで早速公開されており、書き起こしの文章も全文が掲載されている。

まず翌朝の記者ブリーフィングでは、オバマは犯人が犯行直前に「イスラーム国」への忠誠を当局に表明していたようだが、国外の組織から直接の指示は確認されていないとし、次のように説明している。

(1)犯人自身は「イスラーム国」のために犯行を行ったと認識し、表明している。

It does appear that, at the last minute, he announced allegiance to ISIL,

(2)「イスラーム国」あるいはその他の国外の組織から直接的に指示された(directed)形跡は今のところない。

at this stage we see no clear evidence that he was directed externally. 

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