6月21日朝、ヨルダンの北東部の辺境、シリアとの国境の町ルクバーンで、ヨルダン軍の部隊に対するテロで6人の兵士が死亡し、14人が負傷した。

"Jordan soldiers killed in Syria border bomb attack," al-Jazeera, 21 June 2016.

"Jordanian troops killed in bomb attack at Syria border," BBC, 21 June 2016.

ルクバーンはヨルダンとシリアの国境の町(村)だが、少し東にはイラク国境も迫っている。ヨルダン、シリア、イラクの国境線が接する地点に近い。ルクバーン付近のシリアとの緩衝地帯に、7万人ものシリア難民が、ヨルダンへの入国を拒否されて、国際法的には「シリア内の国内避難民」と「ヨルダンに入国した難民」との中間の地位で、宙吊りになってキャンプ生活を送っていることでも知られる場所である。50度にもなる酷暑の砂漠・土漠地帯の、劣悪な環境に留め置かれている。

ヨルダン政府は、難民の中に「イスラーム国」のシンパ・工作員が混じっている可能性を危惧して、極めて限定的にしかここの難民キャンプからの入国・難民申請を受け入れていない。今回のテロは、このキャンプの付近の「シリア側」で起ったようである。ヨルダン政府が「シリア側」と認定している場所は軍事的な緩衝地帯であるためにヨルダン軍部隊が展開して難民キャンプを護衛・監視しているが、その部隊を標的にしたものとみられる。

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