共和党のジョン・マケイン大統領候補と共に選挙を戦う副大統領候補として、あるいは次回二〇一二年の有力な大統領候補として、ボビー・ジンダル・ルイジアナ州知事に注目が集まっている。三十六歳のインド系米国人のジンダル知事は、昨年十月、史上最年少で州知事に当選したばかりだが、強い影響力をもつタカ派のラジオ政治評論家ラッシュ・リンボーが「次世代のロナルド・レーガン」と絶賛するなど、評価は鰻のぼり。 一九七一年生れのジンダル知事は、ローズ奨学金を受けて英オックスフォード大学で政治を学んだエリート。イラク戦争を支持し、銃の所有には賛成で、人工妊娠中絶に反対するなど、政治姿勢は共和党の理念にきわめて忠実。インド出身の両親の影響で元はヒンズー教徒だったが、カトリックに改宗し、今では毎週教会に行くほど信仰は厚い。 二〇〇五年のハリケーン・カトリーナの被害からいまだに立ち直れないニューオーリンズの再建と、ルイジアナ州経済の活性化、貧困層に対する医療保険の拡充を政策の柱とするジンダル知事は、白人が多く民主党が強い同州で勝ったことで、一躍共和党の期待の星となった。 ただ、今回の大統領選挙に関しては未だ誰を支持するか明らかにしておらず、「ルイジアナの問題を理解してくれる人なら、共和党だけでなく民主党候補を支持することもあり得る」と優等生的な回答をしている。

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