8月9日のトルコのエルドアンのロシア・サンクトペテルブルク訪問では、予想通り、エルドアンがプーチン大統領にあたかも臣下の礼を取るかのような構図が出現した。

会談直後から、ロシアの宣伝メディアである「スプートニク」は怒涛のように記事を配信したが、そのうち一つのカリカチュアには、ロシアから見た会談の構図が明らかだ。そしてトルコとしても、今はこれに反論をできる立場ではない。エルドアンとプーチンの記者に公開した会談では、プーチンが会見室で待ち、エルドアンを出迎えるという形式だったが、カリカチュアではこの場面を捉えて、プーチン「先生」が「生徒」のエルドアンに別室で「ごめんなさい」と100回(?)書き取りをさせている、と描いている(下記リンクからカリカチュアを見ることができる)。

"Lesson Learnt?," Sputnik, 9 August 2016.

エルドアンはロシア軍機撃墜でロシア側の領空侵犯を一切問題にせず全面的に非を認める形となり、ロシア製原発の導入や、トルコ経由のパイプライン計画の推進などを即座に再開すると約束するのに対して、プーチンはロシア人観光客のトルコへのチャーター便を近く再開するといった、軽微でロシアにとっても利益しかない事項でサービスしつつ、経済制裁の解除は時間をかけて、トルコの今後の実際の行動を見て段階的に行うと釘を刺している。

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