「韓国経済」がグローバル競争から「脱落」する構図
2016年9月28日
韓国経済がグローバル競争から脱落し始めた。牽引車のスマホ、テレビ、半導体など電子・電機産業は中国製造業の猛追で、サムスン電子すら足元が揺らぐ。造船は業界存亡の時を迎え、鉄鋼、自動車も勢いが落ちた。イノベーションによる突破力が身につかないまま成長を目一杯追った結果だ。1997~98年の「IMF危機」以降の競争至上主義とグローバル化も、限られた企業を強くしただけで、産業全体の底上げにはつながらなかった。次の成長ステージに進めなければ、韓国は先進国の地位からずり落ちる恐れもあるだろう。
致命的なバッテリー事故
「『ギャラクシーノート7』の機内での使用は全面禁止、貨物としての預け入れもお断りします」。世界の航空会社の多くがサムスンの最新スマホを忌避している。内蔵のリチウムイオン電池が爆発、発火するなど、韓国はもちろん欧米各国で事故が多発、サムスン自身も一時はユーザーに使用中止を薦めた。ギャラクシー・シリーズのスマホの世界的ヒットで世界のエレクトロニクス業界の頂点に立ったサムスンだったが、中国をはじめとする新興国景気の急減速と軌を一にするように2014年あたりから業績が悪化していた。
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