イエメンを中心とした紅海岸地域のシーレーンの安全保障に関わる緊張、特にバーブル・マンデブ海峡付近での、イランの支援を受けたとみられるフーシー派のより積極的なアクセス拒否活動が問題化している。

先日来、この欄ではこの問題を取り上げ(11日の記事1記事2)、本日13日未明に送信した記事には米国による「限定的な軍事的報復・懲罰措置が行われる可能性がある」と記しておいたが、すでに本日早朝、米国はイエメンの紅海岸のフーシー派のレーダー施設に対して巡航ミサイルによる攻撃を行った模様だ。

一連の艦船への攻撃では、フーシー派はレーダー誘導ミサイルC-802を用いたと見られ、イランの支援による配備が疑われている。

今回の攻撃は米国によるイエメン内戦の当事者への直接的な攻撃としては初めてとなる。ただし米軍はサウジアラビアとUAE主導のハーディー大統領支援の軍事介入を間接的に支援してきた。

米国・オバマ政権内ではサウジのイエメン軍事介入に対して批判的な声もあり、距離を置く姿勢も見えてきたが、紅海・バーブル・マンデブ海峡の安全通航を妨げる能力をフーシー派が有し、実際に妨害を行うとなると、対処せざるをえない状況なようだ。米国は当面、限定的な介入にとどめようとする姿勢を見せているが、フーシー派とその背後のイランなどの勢力が積極的にバーブル・マンデブ海峡での緊張を高めることで何かを得ようとしていけば、事態は紛糾の度を増し、長期化、紅海の海運に依存する世界経済への影響も出てくる可能性がある。

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