2006年3月29日、国連安保理は、イランに対しウラン濃縮活動を30日以内に停止するよう求める議長声明案を全会一致で採択。安保理会合後、国連憲章を手に記者団に説明するボルトン米国連大使 (C)EPA=時事
 

【編集部より】本記事は、2016年11月15日にアップロードした記事ですが、今回、ジョン・ボルトン大統領補佐官がドナルド・トランプ大統領によって突如解任されたことを受け、ボルトン氏を知るうえで非常に有益であるため、筆者の池内恵さんの諒承を得て、再掲いたします。

 

 トランプ政権の国務長官の候補として、ジュリアーニ元ニューヨーク市長やニュート・ギングリッジ元下院議長と並び有力視されるのが、ブッシュ(息子)政権の1期目の終わり(2005−2006年)に国連大使に任命されたジョン・ボルトンである。ボルトンはブッシュ・小泉の蜜月時代に国連大使を務めたこともあり、当時の関係者を中心に、日本側には好印象を持っている人も多い。同時に、その歯に衣着せぬ言動から、米国の政策エスタブリッシュメントの中では異端児的扱い、あるいは白眼視を受けることも多い。国連大使を務めたが国連に対して喧嘩腰の姿勢が顕著で、タカ派、米国一国主義的に見られがちな人物である。

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