土木女子ドラマはどうだろう

執筆者:成毛眞2016年11月24日

 以前は全くと言っていいほど見なかったドラマを、最近はよく見ている。きっかけは前にも書いたようにアメリカで製作されたコロンビアの麻薬王のドラマだったのだが、これがことのほか面白く、それなら日本のドラマも面白いのではないかと考え探していたところ、WOWOWのオリジナルドラマが、原作がしっかりしていて役者もいいという評判を耳にした。早速見てみると、やはり『しんがり~山一證券 最後の聖戦~』『沈まぬ太陽』『空飛ぶタイヤ』などが面白く、職業もののドラマなら地上波でも面白いものをやっているのではないかと気にするようになった今年、『重版出来!』というドラマにはまった。出版社の女性新人編集者が奮闘する物語で、主演の黒木華(はる)さんもストーリーも実に良かった。と思っていたら、今度は石原さとみさん主演で『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』である。これもまた出版業界の話であり、やはり興味深く見ている。

 職業もののドラマと言えば、『太陽にほえろ!』『踊る大捜査線』『相棒』などの刑事もの、『白い巨塔』『ドクターX』などの医療もの、『半沢直樹』『華麗なる一族』などの金融もの、『スチュワーデス物語』『GOOD LUCK!!』などの航空業界もの、『リーガル・ハイ』『HERO』などの法廷もの、『ごくせん』『GTO』などの教師ものがある。どれも、誰もが心のどこかで憧れる、しかしそう簡単にはつけない狭き門の職業のドラマばかりだ。そこに『重版出来!』や『校閲ガール』は、出版ものというジャンルを付加したように見える。いくら斜陽とは言え、いまだ出版業界は就職では人気である。

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