ヨルダンの観光地カラク城で銃撃戦

執筆者:池内恵2016年12月19日

12月18日、ヨルダンの著名な観光地カラク城付近で銃撃戦があり、犯行集団が一時カラク城に立て籠もった

少なくとも10人が死亡し、そのうち一人がカナダ人観光客であると確認されている。その他の死者の多くは警察官か犯行集団で、必ずしも観光客を直接狙った無差別テロとは言えないようだ。カラク市内の別の場所で発生した警察と武装集団の銃撃戦の流れで、カラク城の警察署が襲撃され、立て篭りに発展したようだ。

シリアやイラク、イスラエル・パレスチナ、エジプトのガザ地区といった紛争やテロが頻発する国に囲まれて、ヨルダンは相対・例外的に安定してきた。しかしヨルダンの安定は「台風の目」は静かであるようなもので、いつ乱されるか分からない緊張を秘めていることは言うまでもない。直接観光客を狙った事件でなかったとしても、今回のように急速に流動化して巻き込まれる可能性を、想定しておかなければならない。

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