12月19日の午後7時ごろ、アンカラの中心部チャンカヤ区にある文化センターで、ロシアの駐トルコ大使のアンドレイ・カルロフ氏が銃撃され、死亡した。犯人も現場で射殺(あるいは"neutralize”)された模様。

犯人は「アレッポを忘れるな!シリアを忘れるな!我々の兄弟が安全でない限り、お前たちは安全ではない!」などとトルコ語で叫んでいたと報じられる。ロシア軍の全面的支援のもとでのアサド政権によるアレッポ東部の制圧はトルコで憤激を呼び覚まし、デモも生じていたところだった。

犯人の背景はまだ分かっていないが、外見からは、通常のイスラーム主義・ジハード主義的な人物には見えない。自爆テロではなく射殺というところも異なっている。トルコ民族主義か、あるいはシリア系の人物による犯行の可能性がある。犯人が銃撃直後に叫ぶ様子を写した映像が複数出回っているが、冒頭の「アッラー・アクバル」等の定型的文句をアラビア語で唱える後は、トルコ語に変わる。

ただし犯人は大使のボディーカードを装って接近した(あるいはそもそも本当のボディーガードだった)とも言われるので、外見は意図してイスラーム色を隠したのかもしれない。確かにボディーガード風のスーツと髪型であり、髭を全て剃っている。

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