隣国ではシリア内戦とクルド人勢力の台頭、「イスラーム国」の猛威、国内ではクーデタ未遂、クルド分離派との抗争、そして相次ぐ各種のテロ・・・とトルコの内憂外患が著しいが、エルドアン政権の真骨頂である「開発土建政治」は着々と進んでいる。

その目玉は広域イスタンブルの開発であり、中心部の交通網の整備だ。外環道の整備、そしてボスフォラス海峡とダーダネルス海峡を横断したり地下をくぐったりする橋やトンネルが次々に計画され、着工に移され、自動車道や地下鉄が開通される。今年8月26日のボスフォラス海峡を横断する第3の橋の完成についてはこの欄でも記しておいたイスタンブル第3の新空港の開港も2018年2月に予定されている。

12月20日にも、イスタンブルのボスフォラス海峡の地下トンネル自動車道が開通し、エルドアン大統領などが列席する式典が開かれている。トルコ企業との合弁相手は、韓国の財閥SKグループ傘下のSK E&Cである(予備調査は日本工営が請け負ったようである)。全長5.4kmのトンネルで、そのうち3.34kmが海底にある。

今回開通したトンネルは「ユーラシア・トンネル(The Eurasia Tunnel)」と名付けられている。ボスフォラス海峡をくぐるトンネル自動車道としては初のものとなった。

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