仏ニュースサイト『メディアパルト』成功の秘密(上)なぜ「有料課金モデル」なのか
2017年1月1日
既存の新聞やテレビとは無関係、完全に有料、広告なしで大成功を収めているウェブニュースサイトがある。2008年に創刊されたフランスの『メディアパルト』だ。
1カ月11ユーロ(約1300円)、1年110ユーロ(約1万3000円)という料金にもかかわらず、定期購読者が12万人を超えている。フランスの3大総合全国紙『フィガロ』『ルモンド』『リベラシオン』は、ここ1年の実績でそれぞれ販売部数30万5000、26万4000、7万6000(発行部数を調査する第三者機関『ACPM』による)だが、この中にはほとんど儲けのない航空会社などの大量購入が2割程度入っているから、メディアパルトはリベラシオンの2倍、ルモンドの半分以上の購読者を獲得していることになる。
「数年来ずっと15%の利益率を出し続けています。メディアパルトは構造的に採算性のあるものになっています。正社員25人で始まった会社は、現在75人。毎日定期購読者は増えています。いま、シカゴ大学が、注目すべきビジネスモデルとしてケーススタディしているんですよ」
創業者で、社長兼編集発行人のエドウィ・プレネル氏はそう言って胸を張る。いま一番困っているのは、クレジットカード会社が定期購読決済システムをなかなか改善しようとしないことだという。「毎日、決済がうまくなされないトラブルがあります。それがなければすでに15万人から20万人に達していたかもしれません」
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