都議会37年ぶり「自公連立解消」の読み方

執筆者:フォーサイト編集部2017年1月18日
昨年12月15日、東京都議会定例会が閉会し、公明党の控室を訪れた小池百合子知事(前列右から3人目)と同党都議ら (C)時事

 創価学会の「永遠の師匠」(会則)である池田大作名誉会長は、1月2日に満89歳の誕生日を迎えた。平成22年5月を境に池田氏は、大衆の前から姿を消しているが、それ以前の同氏の誕生日には盛大な祝賀パーティが開かれ、多くの幹部や議員に加えて芸術部所属の女優や歌手、タレントやスポーツ選手が列席して華を添え、久本雅美や柴田理恵がコントを披露するなど殷賑(いんしん)を極めた。だがその賑わいもいまはなく池田時代の終焉が間近いことを窺わせる。

「誕生日」と箱根駅伝

 もっとも今年の1月2日は、創価学会にとって明るい1日となった。というのもいまや正月の風物詩となっている箱根駅伝(1月2・3日開催)に、創価大学が予選会を3位という好成績で突破し、2年ぶりの出場を果たしたからだ。この結果を受けて「聖教新聞」は、昨年末に「夢をつなぐ 創価大学箱根駅伝への道」なる特集記事を連載。「シード権獲得をめざす」と前景気を煽った。
 創価学会は、今年2017年を「世界広布新時代 青年拡大の年」と称しており、青年の活躍で東京都議選をはじめとする各種の戦いに勝利しようとアピールしている。新年早々、しかも池田名誉会長の誕生日である1月2日の創価大学の箱根駅伝出場は、そうした創価学会の方針とマッチし、会員の士気を鼓舞するための絶好のツールとなった。世間一般の感覚からすれば、大学駅伝の結果を宗教活動や選挙活動のエネルギー源とすることには違和感があるだろうが、創価学会では、例えば平成4年の大相撲名古屋場所での学会員力士・水戸泉の平幕優勝と、創価高校の甲子園出場、そして公明党の参院選勝利を、平成3年の日蓮正宗からの破門に対する3大勝利と喧伝したように、単なるスポーツの結果であっても宗教的勝利の実証と意味付けるため、創価大駅伝部の健闘も東京都議選勝利への起爆剤になり得る。「往路9位、総合12位」の結果は、「善戦」と受け取られた。 

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