先ほどサウジのジブチへの軍事基地建設の方向性について記したが、エジプトも紅海・バーブルマンデブ海峡への安全保障上の存在感を示そうとしている。

エジプトは1月5日、南方艦隊司令部を正式に発足させ、紅海岸のサファーガの拠点の開設を記念する式典を行ってスィースィー大統領も出席した。

"Looking South," Al-Ahram Weekly, 12 January 2017.

エジプトの海軍はこれまで北方艦隊のみで、地中海とスエズ運河の防衛に主力を置いてきたが、南方艦隊の創設によって紅海岸からバーブル・マンデブ海峡やインド洋に至る海域でのプレゼンスを高める意図がありそうだ。

サウジやUAEがジブチ、エリトリア、エチオピアなど「アフリカの角」地域から、スーダンなど紅海岸にかけての進出を進める中で、エジプトは対抗意識を強めている。「対イラン」「対シーア派」といった対立軸・結集軸でサウジが主導してエジプトを含む各国を糾合しようとする動きはあるが、エジプトは従属的な立場で加わることは望んでいないようだ。

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