洋の東西を問わず、メタボに対する関心度は高いが……(C)時事

 

 米連邦政府が策定した『アメリカ人のための食生活ガイドライン(DGAs)』は、さまざまな疾患や生活習慣病の元となる肥満や動脈硬化症などを防ぐための「食生活」の指針として政府が定め、米国保健福祉省(HHS)と米国農務省(USDA)が5年ごとに改定・公表しています。「食生活」による健康管理で疾病を防ぎ、高騰する医療費の削減を狙ったものですが、食品メーカーや小売店などは、この指針によって商品に含まれる栄養素の構成や商品のラインナップを変えるなど、米国人の食生活に大きな影響力を持っています。

 策定にあたっては、医師や科学者など医療・栄養・公衆衛生学の専門家によって構成される諮問委員会が、「食」に関連するさまざまな研究成果を吟味します。

 今回問題となった1967年のNEJM誌の総説の著者らは、すでに他界しています。しかし実は、共著者の1人であるマーク・ヘグステッド氏は、論文発表後、米国農務省栄養部門長官を務めていました。それどころか、1977年、初めてこのガイドラインが作成されるにあたり、その草案作りに重大な責任を負う立場でかかわったのです。

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