日本は、戦後70年間、武力攻撃が仕掛けられて初めて反撃できる「専守防衛」の安全保障政策に徹してきた。そして自衛官は、国家の「正当防衛・緊急避難」である「個別的自衛権」行使の専門(プロフェッショナル)職であった。
 2016年3月、「集団的自衛権行使の容認」に伴う新たな安全保障法制が施行された。さらに12月、南スーダンにおけるPKOに赴く陸自部隊には、「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」の任務が付与された。まさに、2017年は、日本から国際社会の安全保障へと自衛官のプロ意識が変わる節目ではないだろうか。それではそのプロ意識の拠り所は何処に在るのか。

「我が国」の平和と独立を守る使命

 これを象徴しているのが、『自衛隊法施行規則』第39条「(一般の)服務の宣誓」である。自衛官は、防人のプロを志す際、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」と宣誓する。

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