”重鎮”の指摘は重く鋭い(C)AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ大統領が就任して5週間以上が経過した。トランプ大統領のメディア批判は止まる所を知らず、むしろ、時間が経過すればするほどその激しさは一層強まるばかりである。就任直前の1月11日、ニューヨーク・マンハッタンのトランプタワーで当選から2カ月以上が経過して初めて行った記者会見では、ロシアとの関係について批判的報道を続けているとして『CNN』の記者からの質問を一切受け付けず、『CNN』を「偽のニュースを報道するメディア(fake news media)」と激しく批判していたことはまだ記憶に鮮明である。

 

就任後も強まるメディア批判

 米国大統領選挙への介入に対する報復措置として、オバマ前政権が対ロシア制裁措置を発動した2016年12月29日、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と制裁解除について電話で協議していたことが判明したマイケル・フリン国家安全保障問題担当大統領補佐官が辞任に追い込まれた。辞任の3日後に行われた2月16日の77分間にも及んだ記者会見でも、トランプ大統領はメディアの報道姿勢は不誠実であると非難し、その具体例として、選挙キャンペーン中にトランプ陣営関係者がロシア政府と接触していたとの疑惑報道などを挙げ、強い不満を表明した。そして翌17日には、ツイッター上で、「偽りのニュースを報道するメディア」として『ニューヨーク・タイムズ』、『NBCニュース』、『ABC』、『CBS』、『CNN』の5つのメディアを名指しし、これらメディアは自身の敵であるだけではなく米国民の敵である、との投稿を行うまでにメディア批判はエスカレートしている。【twitter@real Donald Trump

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