2つの「レッドライン」を越えた金正恩氏(下)「石炭輸入」を中止した「中国」の真意
2017年3月3日
北朝鮮は2月12日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を地上型に改良した「北極星2」を発射した。その翌日の2月13日にマレーシアで金正男氏が暗殺された。
VXが5年ぶりの米朝対話を霧散させる
米国のトランプ大統領は2月23日にロイター通信とのインタビューで、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「非常に怒りを感じる」と反発を示した。トランプ大統領は選挙期間中には金正恩党委員長と「ハンバーガーを食べて対話する」と、前向きともとれる発言をしたが「決してノーとは言わないが、遅すぎるかも知れない」と後退した。
北朝鮮の核・ミサイル開発について「非常に危険な状況」という認識を示しながら「中国はその気になれば、とても簡単に解決できる」と中国が圧力を加えるべきとし、米朝対話には否定的だった。
それでも、米朝双方は3月1、2両日、ニューヨークの国連本部近くのホテルで北朝鮮当局と米国の元国務省幹部や学者たちは、「1.5トラック対話」を計画していた。米朝は2014年12月から非公式の「1.5トラック対話」を欧州や東南アジアで続けて来たが、米国での米朝対話は2011年7月以来、5年余ぶりだった。北朝鮮からは崔善姫(チェ・ソンヒ)外務省米州局長が訪問する予定だった。
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