2つの「レッドライン」を越えた金正恩氏(下)「石炭輸入」を中止した「中国」の真意

執筆者:平井久志 2017年3月3日
エリア: アジア
2月15日、平壌で開かれた故金正日総書記の生誕75周年を祝う中央報告大会での、金正恩党委員長。この2日前に、金正男氏は暗殺された(朝鮮中央テレビより) (c)時事

 北朝鮮は2月12日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を地上型に改良した「北極星2」を発射した。その翌日の2月13日にマレーシアで金正男氏が暗殺された。

VXが5年ぶりの米朝対話を霧散させる

 米国のトランプ大統領は2月23日にロイター通信とのインタビューで、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「非常に怒りを感じる」と反発を示した。トランプ大統領は選挙期間中には金正恩党委員長と「ハンバーガーを食べて対話する」と、前向きともとれる発言をしたが「決してノーとは言わないが、遅すぎるかも知れない」と後退した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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