米国の安全保障政策は、1997年の国防計画に基づき4年毎に見直し、最新の戦略目標や軍事的脅威の分析を国防総省が議会報告(QDR:Quadrennial Defense Review)し、明らかになる。2014年3月4日に行われたQDRは、2012年1月5日にオバマ前大統領が下した、10年間で国防費4870億ドルを削減する国防指針“ Defense Strategic Guidance”を受け、軍備縮小に対応している。

雇用と防衛産業にメリット

 この度のトランプ大統領議会演説「一般教書」には、安全保障政策に関するいくつかの論点が見られるが、「予算教書」「経済報告」および「QDR」を待たなければ全貌は見えない。

 その中で明らかになった新たな政策には、「この危険な時代に米国の強さと安全、決意を世界に示すメッセージである」とした、2018会計年度の「国防費540億ドルの増額(前年度比10%)」(2.28AFP=時事/CNN)があり、オバマ時代の「削減」に対する180度の転換が示された。
 教書には、その意志が「米国の安全のため、戦争を抑止できる軍事力を保有すること、そして、避けられない戦いに臨んでは、必ず勝利する。然るに国防費削減政策を撤廃し、米国史上最大となる国防費の増額を求める」とある。

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