3月7日、トルコ南部アンタルヤで、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長と米軍のダンフォード統合参謀本部議長、トルコ軍のアカル参謀総長が会談した。

シリア北部の情勢が急展開し、それぞれの支援する勢力の相互関係が定まり、均衡状態に達しようとする中でのアンタルヤ会談は、シリア内戦の終結への節目として記憶されるかもしれない。
"Turkey, US, Russia military chiefs meet to discuss anti-IS strategy," Al-Monitor, March 7, 2017. 

シリア北部での2月末から3月初頭にかけての有意義な展開については、情報を精査して整理しなければならないが、概要を記せば、2月23日までにトルコがアル・バーブ(al-Bab)から「イスラーム国」勢力を放逐して制圧し、そこから東方向に展開して、クルド勢力YPGとそれを中核とするシリア民主軍(SDF)がユーフラテス河を越境して支配下に置いていたマンビジュの制圧に向かった。それに対してクルド勢力は応戦しつつ、ロシアの仲介を求め、アサド政権軍をマンビジュに引き入れる合意を行なった。米国もこの動きを追認し、マンビジュを挟んでトルコ軍、アサド政権軍とロシア軍部隊、クルドYPGと米軍部隊が、並存することとなった。

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