昨年11月、アホック知事の「逮捕」を求めてジャカルタで行われた数万人規模のデモ(C)時事

 

 インドネシアでは2月15日に地方統一首長選が実施された。2005年に導入された地方首長(州知事、県知事、市長)に対する住民の直接選挙は、これまで自治体ごとに任期満了の時期にあわせて個別に実施されてきたが、将来的には同日に選挙を行うため、順次選挙日程を統一させている。2015年に次いで2回目となる2017年の統一地方首長選は、101自治体(7州、76県、18市)が対象となった。

 なかでも注目されたのは、首都ジャカルタの州知事選挙である。前回2012年の州知事選では、中ジャワ州ソロ市の改革派市長だったジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)が決選投票の末、現職を破って州知事に就任し、その勢いに乗って2014年の国政選挙で大統領にまでのぼりつめた。この出来事によって、ジャカルタ州知事選は、大統領選に大きな影響を与える非常に重要な選挙として、政界でも重視されるようになったのである。

 さらに、昨年10月に選挙戦が始まると、イスラーム保守派が宗教を利用した大規模な大衆動員を行って特定の個人を攻撃するなど、社会の分裂を煽るような動きが全面的に展開された。

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