プリーバス大統領首席補佐官(右)とともにトランプ大統領の信任が厚いバノン上級顧問は、「経済ナショナリズム」を提唱しているが……(C)EPA=時事

 

 トランプ政権が掲げる「米国第一主義(America First)」に基づく通商アジェンダを実現する点で、同政権の「通商チーム」の中で中核的役割を果たすと見られているのが、ウィルバー・ロス商務長官、ロバート・ライトハイザー次期米国通商代表部(USTR)代表、ピーター・ナヴァロ国家通商会議(NTC)議長である。だが、他の閣僚候補同様、彼ら「通商チーム」の指名承認プロセスも大幅に遅れていた。それが最近になって、ようやく進展が見られ始めている。

「通商チーム」の指名承認プロセス

 ドナルド・トランプ大統領が2月28日に米連邦議会上下両院合同本会議において「施政方針演説」を行った前日の27日、上院本会議では次期商務長官に指名されていたロス氏の指名承認票決が行われ、賛成72票、反対27票の賛成多数で承認され、翌28日にロス氏は正式に商務長官に就任した。トランプ氏はロス氏を大統領選挙で勝利してから約3週間後の昨年11月30日に次期商務長官に指名しており、正式に就任するまで実に約3カ月もかかったことになる。

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