プレーオフをバーディーで制した瞬間、歓喜の雄叫びをあげたガルシア(C)EPA=時事

 

 マスターズ19回目、メジャー74大会目にして、ついに勝利を掴んだセルジオ・ガルシア(スペイン)がグリーン・ジャケットを羽織る恒例の儀式に臨んでいたちょうどそのころ、今年から新装されたプレス・ビルディングでは、プレーオフのうえ苦杯をなめたジャスティン・ローズ(英国)の敗北会見が行なわれていた。

 今年は本当にいろんなことが起こったマスターズだった。開幕前の練習日は雷雨に見舞われてコースが何度もクローズ。予選2日間は寒波と強風に襲われ、世界のトッププレーヤーたちの戦いは我慢比べの様相を呈した。

 優勝候補の筆頭に挙げられていた世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンは、開幕前日に宿舎として借りていたコース近郊の民家の階段で転落。腰と左ひじの痛みと腫れは事故から初日のティオフまでの23時間では治らず、練習場から1番ティに向かう途上、「棄権」という苦渋の決断を自ら下した。

 ジョンソン不在の4日間、選手たちはさまざまなドラマを繰り広げたが、最後に優勝を競い合ったのは37歳のガルシアと36歳のローズ。首位に並んで72ホール目を迎えた2人は、そのままプレーオフ1ホール目の18番へ進み、5メートルのバーディーパットを沈めたガルシアの勝利で幕を閉じた。

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