イラン大統領選挙の候補者が決定

執筆者:池内恵2017年4月21日

イランで5月19日に投票が行われる大統領選挙の候補者が、4月20日に発表された。1600人を超える立候補届けの中から、6人が候補者として選出された。

イランの選挙は制限された枠内での民主主義であり、監督者評議会(一般に日本では護憲評議会と呼ばれるが、専門家からは批判される)が審査し、国民に選択肢として提示する。監督者評議会の半数は最高指導者のハメネイ師が指名する(イランの大統領選挙の制度の詳細については、この論文にまとめられている)。

現職のロウハーニー大統領と、イスラーム法学者で司法副長官や検事総長を歴任し、ハメネイ師の支持を得ていると見られているエブラーヒーム・ライースィーが有力候補と見られている。

これまでロウハーニーの再選は固いと見られてきたのだが、米トランプ政権の対イラン対決姿勢などをどのように指導部や国民が受け止めるかによって、投票日直前になって急激な変化が表面化する可能性もある。

2005年から2013年までの二期、大統領を務めたマフムード・アフマディネジャード前大統領が4月12日にハメネイ師の公然たる反対に耳を貸さず立候補届けを行ったことで注目を集めたが、監督者評議会はアフマディネジャードの立候補を却下した。

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