中東・アフリカ諸国を歴訪しているマティス国防長官は、イスラエル、エジプト、サウジアラビア、カタルに続き、今回の最後の訪問先として、4月23日にアフリカのジブチを訪れた。米国はジブチにアフリカで唯一の基地を置き、ソマリアのアッ=シャバーブ、イエメンのAQAPに対する作戦の拠点となっている。ここ数年ほとんど姿を現さなかったアデン湾ソマリア沖の海賊も、規模は小さいながら、ここ数ヶ月で立て続けに事件が起こっている。

米国はジブチのアンブーリー国際空港内に、米国のアフリカでの唯一の海外基地であるレモネア基地を設置している。軍民共用のアンブーリー空港の滑走路から、大音響を上げて米軍機が飛び立つ。また、南西方向の砂漠の中にあるシャベリー空港には無人機(ドローン)が発着しているという。ソマリア、イエメンでの作戦の拠点・発進地となるだけでなく、リビアなどを含むアフリカ全域の米国の権益を保護すべく、ジブチで待機している。

筆者も3月末から4月初頭に、ジブチを訪れた。この「中東通信」欄で、他所には出せない細部を読み解いた見聞録をつぶやいてみようかと、フィールドノートを整理しているところである。

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