【現地レポート】青木功「世界記録」への挑戦

執筆者:内木場重人2017年4月28日
闘志は衰えず(C)KUNIO TAMURA(以下同)

 

 スタート前の練習グリーン上。近寄ってきたPGA(日本プロゴルフ協会)会長の倉本昌弘と二言三言交わしたあと、パッティングしたボールの行方を確認しながら、青木功は語った。

「いま倉本くんにも言われたけどさ、こんな嬉しそうな顔してる青木は見たことがないってさ。そりゃそうだよ。だって本当にわくわくしてるから。こうやってコースに選手として立ててることがさ。やっぱりね、ゴルフっておれの人生そのものだもの」

 男子レギュラーツアーの今季5戦目(国内開催3戦目)となる第58回中日クラウンズ(名古屋GC和合)。4月27日、その1番ティーグラウンドに、出場選手中最高齢74歳7カ月の青木は、選手として立った。昨年3月よりJGTO(日本ゴルフツアー機構)会長を務めている青木は、本来ならばスーツを着て、選手を送り出す立場にある。実際、会長就任以来、シニアツアーも含めて試合にはほとんど出場できず、レギュラーツアーは1年前のこの大会、実戦も昨年11月の「富士フイルム・シニアチャンピオンシップ」以来だ。

 会長就任以前から「生涯現役」を公言し拘ってきた青木は、「永久シード」保持者であるために本人がエントリーすればレギュラーツアーでもすべて出場可能。しかし、出場選手の枠は限られているため、青木のエントリーによって出場できない選手が1人増えることになる。その点で、ゴルフ界のレジェンドとは言え、若い選手の可能性を問う異論があることも事実。しかしそれでも敢えて青木は出場に踏み切った。

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