朝鮮半島「4月危機」騒乱(1)洗い直された米「対北朝鮮政策」
2017年4月28日
北朝鮮は4月25日に朝鮮人民軍創建85周年を迎えたが、米国などが原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島周辺に派遣して圧迫するという状況下、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験など、米国のレッドラインを超えるような挑発は控えた。
北朝鮮は、軍事パレードを4月15日の金日成(キム・イルソン)主席誕生105周年に前倒しし、同25日の人民軍創建85周年では、元山付近で大口径の大砲300門以上を動員して砲撃訓練を行うという史上最大規模の「合同打撃示威」を行った。北朝鮮は、対応を「抑制された挑発」に留めた。
北朝鮮は、パルチザン闘争を建国の理念とする国だ。米韓合同演習中に米国が原子力空母や原子力潜水艦まで動員している中で、「正規戦」に「正規戦」で応えるような挑発を試みることは北朝鮮らしくないのかもしれない。過去5回の核実験が米韓合同軍事演習中に行われたことはなく、昨年1月と9月の核実験は、国際社会の意表を突く形で行われた。
朝鮮半島の「4月危機」は一応切り抜けた。しかし、それは北朝鮮危機が回避されたということではない。北朝鮮が国際社会の不意を突く形で6回目の核実験を強行する可能性は、現在も残っている。危機は続く。
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