トルコのエルドアン大統領が5月3日にロシアのソチでプーチン大統領と会談する予定である。

会談の重要な話題となることが噂されているのが、ロシア製の対空ミサイル・システムであるS-400の購入である。トルコ側からも、ロシア側からも、肯定的な発言が相次ぐ。

トルコはNATO諸国から対空ミサイルのパトリオット・システムの配備を受けていたが、これは「貸与」されていた形で、現在はいずれもの国も設備・機材を撤退させている。

トルコの自前の防空システム構築に、米国・ロシア・中国が売り込みをかけてきた。

2015年初頭に一時は中国企業からの購入が発表されたが、白紙に戻っていた。

ロシアにとってみれば、巨額の契約で軍需産業が潤うだけでなく、トルコとの関係を強化し、中東での支配的な立場を築く一歩となる。

クルド勢力への支援をめぐって米国との関係が揺らぐトルコにとっては、ロシア製システムの導入の動きを示すことは、米国への牽制ともなるだろう。ただし米国側にはトルコへの不信感がより高まるかもしれない。

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