5月14日、新型ミサイルの発射実験に立ち会った金正恩党委員長。机上の図には、ミサイルの航跡らしきものが見える(15日付の党機関紙『労働新聞』電子版より)(c)時事

 

 北朝鮮は、韓国で文在寅(ムン・ジェイン)政権がスタートしてわずか5日目の5月14日午前5時半頃、北西部の平安北道亀城付近から東北東の方向へ弾道ミサイル1発を発射した。日本政府は、ミサイルは約30分、約800キロ飛行し、日本海の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したと発表した。発射実験は成功したとみられる。また稲田朋美防衛相は、ミサイルは高度2000キロを突破しており、これは北朝鮮がこれまでに発射したミサイルの中で最も高く打ち上げたものになる、と説明した。打ち上げ角度を上げて、飛行距離を意図的に短くする「ロフテッド軌道」で発射したとみられている。防衛省は、通常の角度で発射した場合の飛距離は4000キロを超える可能性があるとみている。

グアムも攻撃可能

 北朝鮮は昨年10月、亀城付近の飛行場で2回にわたり中距離弾道ミサイル「ムスダン」(2500~4000キロ)の発射実験を行い、失敗している。また、今年2月12日に亀城付近から新型弾道ミサイル「北極星2」を発射して約500キロ飛行し、実験は成功した。この時の高度は約550キロだった。「北極星2」は北朝鮮が開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星1」を地上発射型に改良したもので、燃料は液体燃料でなく固体燃料とみられている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。