ここのところ断続的に、ジブチに行ってその周辺を見渡して考えたことについてつらつらと記している(この10日間ほど、パソコンの設定の関係で休んでいましたが)。

ジブチはアラブ連盟の一部という意味では中東の辺境とも言えるが、住民の多くはソマリ人(それ以外の多くは、エチオピアにも跨って居住するアファル人。アラブ系としては若干のイエメン人も居住している)。

ソマリ人はソマリアとエチオピア、ケニア、そしてジブチにかけて居住している。北欧や北米への移民も多い。

ソマリアはモガディシオの中央政府が内戦で弱まり、ソマリランドやプントランドなどがほとんど独立していたり、イスラーム主義勢力アル=シャバーブが南部の広範囲の地域に今も勢力を維持していたりする。

破綻国家というと危険という印象があり、実際に危険なところが多いが、ソマリランドのように、一定の安定を確保している地域もある。このあたりは、近代的な制度の存在を前提にして対象を見る学問では捉え難いところがある。

ノンフィクション作家の高野秀行さんがソマリランドをライフワークのようにしていて、「ゆるっ」としたソマリ人社会の雰囲気を絶妙の文体で写し取っている。

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