「オバマケア代替法案」で問われるトランプ政権の「立法手腕」
2017年5月31日
ドナルド・トランプ大統領はサウジアラビアを皮切りとする中東・欧州地域5カ国への9日間の初外遊を終え、5月27日に帰国の途に着いた。そして戦没者を追悼する「メモリアル・デー」である29日には、ヴァージニア州にあるアーリントン国立墓地を訪れ、無名兵士の墓に献花を行った。この「メモリアル・デー」休暇が終わり、トランプ政権は難問が山積する内政、外交の課題に本格的に取り組むことになるが、今後直面する内政課題と今後の展望に焦点を当てて検討したい。
進展がみられない立法面
トランプ政権が始動して4カ月以上が経過しようとしているが、ホワイトハウス、上下両院の多数党を共和党が支配し、「分断政治」の状況に終止符が打たれ、共和党優位の政治状況が第115議会に生じたにもかかわらず、立法面での進展がほとんど見られないのが大きな特徴である。
オバマ前政権の内政上の最大の成果の1つである医療保険制度改革関連法、通称オバマケアに対し、共和党は同法が成立した2010年3月から7年間、一貫して同法を撤廃し置き換えることを主張し続けてきた。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。