公約中の公約だったが……(C)AFP=時事

 

 ドナルド・トランプ大統領はサウジアラビアを皮切りとする中東・欧州地域5カ国への9日間の初外遊を終え、5月27日に帰国の途に着いた。そして戦没者を追悼する「メモリアル・デー」である29日には、ヴァージニア州にあるアーリントン国立墓地を訪れ、無名兵士の墓に献花を行った。この「メモリアル・デー」休暇が終わり、トランプ政権は難問が山積する内政、外交の課題に本格的に取り組むことになるが、今後直面する内政課題と今後の展望に焦点を当てて検討したい。

進展がみられない立法面

 トランプ政権が始動して4カ月以上が経過しようとしているが、ホワイトハウス、上下両院の多数党を共和党が支配し、「分断政治」の状況に終止符が打たれ、共和党優位の政治状況が第115議会に生じたにもかかわらず、立法面での進展がほとんど見られないのが大きな特徴である。

 オバマ前政権の内政上の最大の成果の1つである医療保険制度改革関連法、通称オバマケアに対し、共和党は同法が成立した2010年3月から7年間、一貫して同法を撤廃し置き換えることを主張し続けてきた。

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