外交部長官に指名された康京和氏(中央)だが、何かと疑惑も (c)EPA=時事

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5月21日、北朝鮮がミサイルを発射するなど挑発を続ける中で構成が急がれていた、外交・安保担当者の人事を発表した。

「外交重視」への転換

 青瓦台の外交・安保司令塔になる国家安保室長に鄭義溶(チョン・ウィヨン)元駐ジュネーブ大使(71)、外交部長官に女性の康京和(カン・ギョンファ)国連事務総長特別補佐官(62)を指名した。

 青瓦台では外交首席秘書官を廃止して外交安保担当を国家安保室長に一元化し、その人事が注目されていた。当初は学者の文正仁(ムン・ジョンイン)延世大名誉教授、外交官出身の鄭義溶(チョン・ウィヨン)元ジュネーブ大使、魏聖洛(ウィ・ソンラク)元ロシア大使、軍人出身の黄基鉄(ファン・ギチョル)元海軍総参謀長らが下馬評に上がっていた。

 青瓦台関係者はこの直前に「大統領は外交重視か安保重視か悩んでいるようだ」と語っていた。この時点で、文正仁名誉教授の可能性は消え、外交官出身か軍人出身かを悩んでいるようだった。朴槿恵(パク・クネ)政権では軍人の金寛鎮(キム・グァンジン)氏が国家安保室長を務めていたが、外交官出身の鄭義溶氏を起用して「軍重視の安保」よりは「外交重視の安保」で独自性を示そうとしたようだ。

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