外国人「不法残留者」はこうして増える
2017年6月12日
4月初めの週末の夜――。埼玉県内のアパートの一室に、ベトナム人の若者5人が集まっていた。東京都内の日本語学校を卒業し、専門学校へと進学するファムさん(女性、20代)のお祝いのためである。
部屋の床には香辛料の効いた鍋、揚げ春巻き、餅といったベトナムの手料理が並び、周囲に男性3人、女性2人があぐらをかいて座っている。
「モッ、ハイ、バッ、ヨー、ヨー!(1、2、3、飲め、飲め!)」
ベトナム語での乾杯の掛け声に合わせ、発泡酒の缶が掲げられた。会話が弾み、6畳ほどの部屋に笑い声が響く。
5人はトレーナーにスウェット、ジーパンといったラフな格好で、顔立ちも日本人と似ている。その様子は、日本人の若者の飲み会と何ら変わらない。違うのは、彼らはベトナム人で、しかもファムさんを除く4人は不法残留者だということである。
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