「人手不足」と外国人 (12)

外国人「不法残留者」はこうして増える

執筆者:出井康博 2017年6月12日
エリア: アジア
ベトナム人”偽装留学生”が日本語学校経由で入管に提出した預金残高と収入証明書。 明らかにでっち上げの数字が並ぶが、銀行と行政機関の印が押してある。 この留学生は後に日本語学校から失踪した(著者提供)

 

 4月初めの週末の夜――。埼玉県内のアパートの一室に、ベトナム人の若者5人が集まっていた。東京都内の日本語学校を卒業し、専門学校へと進学するファムさん(女性、20代)のお祝いのためである。

 部屋の床には香辛料の効いた鍋、揚げ春巻き、餅といったベトナムの手料理が並び、周囲に男性3人、女性2人があぐらをかいて座っている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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