豪邸に長期滞在「タイ国王」へ異例の苦言「ドイツから政務を行うな」

執筆者:熊谷徹 2020年11月12日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア ヨーロッパ
数カ月にわたって若者を中心としたデモが続くなか、11月1日、タイ・バンコクの王宮前に姿を現したワチラロンコン国王とスティダー妃 (C)EPA=時事

 

 タイでは今年8月以来、プラユット内閣の退陣や王制改革を求める市民たちが、反政府デモを繰り返している。学生など若者たちが批判の矛先を君主にまで向けるのは、前例のない事態だ。

 最近、欧州のメディアは、ラマ10世として即位したタイのワチラロンコン国王(68歳)が、1年の大半をドイツの風光明媚な観光地で過ごしている事実を頻繁に報道している。事態を重く見たドイツ政府では、ハイコ・マース外務大臣が、

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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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