議会選も圧勝ではあったが……(C)AFP=時事

 

 6月11日と18日に実施されたフランス国民議会選挙では、5月に選出されたエマニュエル・マクロン大統領率いる中道派「共和国前進(LREM)」が、全議席の約6割の350議席を得て圧勝した。大統領選挙の勢いをそのまま受けたマクロン派の勝利だった。

 大統領に政治経験が乏しいことや、新党に対する有権者の信頼がどの程度のものか、という懸念から、大統領と議会の与党政治勢力が「ねじれ現象(コアビタシオン)」を起こし、政局運営が不安定になるのではないかという不安の声もあったが、それは杞憂に終わった。

 大統領選直後に、任期が同じ5年の国会議員選挙を行うことは、大統領と議会が同じ勢力になることを意図したものであった(2002年、大統領任期を7年から5年に短縮)。この第5共和国憲法の思惑通り、マクロン大統領は議会多数派をバックに、強い行政力を発揮できる下地を作ることに成功した。

 だがその政策傾向から、失敗したオランド前政権との類似性を強調する声も一部にある。安定したマクロン政治は果たして可能なのか。

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