ミケルソンが「レジェンド」である所以

執筆者:舩越園子2017年6月30日
相棒ボーンズと一緒に闘った2015年の全米オープン。この2ショットはもう見られない(筆者提供)

 

 かつて「ビッグ3」と呼ばれたアーノルド・パーマー、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤーが引退して以降も、ゴルフの世界にグッドプレーヤーは次々に現れた。

 世界ランキング1位に登り詰めた選手、メジャー大会を制した選手、米ツアーのフェデックスカップで総合優勝に輝き、ボーナスの10ミリオン(1000万ドル=約11億円)を手に入れた選手。みな強い選手、上手い選手だからこその栄冠だったが、それだけでは「国民的スター」「レジェンド」とは呼ばれない。

 ビッグ3以降のゴルフ界において、レジェンドと見なされてきたのは、タイガー・ウッズ(41)とフィル・ミケルソン(47)の2人だけだと言い切っていいだろう。彼ら2人には長期的で圧倒的な強さがあった。目を見張るような勝ちっぷりでファンを魅了したかと思えば、傷心の出来事を糧に立ち直ってメジャーを制するカムバックぶりも披露。老若男女、年齢を問わず、広範囲の人々に夢と希望、そして勇気を与えてくれた。

愛に溢れて

 ウッズが無敵の強さを誇示していた傍らで、ミケルソンはその人間味が魅力。そう、ミケルソンにはいつも愛が漂う。試合会場で握手やサインを求める大勢のファンに、勝ったときも負けたときも、30分でも1時間でも対応し続ける。それをプロ入りから現在までの25年以上もの間、笑顔でやり続けている選手はミケルソン以外には1人もいない。

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