復旦大学との合同会議。右から4人目が山本佳奈医師、5人目が赵根明教授、7人目が森田知宏医師(筆者提供)

 

 前回、公的研究の削減が続く我が国で、「税金に頼らない『自由な民間研究者』を育成すること」の必要性を述べた(2017年6月6日「医療崩壊」第1回参照)。

 今回は、我々の活動の一環をご紹介したい。我々は、上海の復旦大学との交流を続けている。きっかけは、前回、ご紹介したとおりだ。

 6月の1カ月間、相馬中央病院の森田知宏医師と南相馬市立総合病院の山本佳奈医師が、共同研究のために短期留学した。受け入れてくれたのは、公衆衛生大学院の赵根明教授だ。

 森田医師のテーマは、上海の高齢化対策、特に認知症だ。山本医師は貧血である。いずれも彼らがライフワークと考えているテーマだ。今回は、山本医師の研究をご紹介したい。

戦後「食糧難時代」より低摂取

 女性が高学歴化し、社会進出が進む先進国で、貧血は古くて新しいテーマだ。山本医師は自らが貧血に悩んだ経験もあり、大学時代からこの問題に取り組んできた。昨年には『貧血大国・日本 放置されてきた国民病の原因と対策』(光文社)を上梓した。

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